今回は、 Akimayuさんよりご寄稿頂きました。
小さなことからはじめてもいいんです。
私は広汎性発達障害を成人してから診断されました。
それまでの学生生活においては、辛い時期もありました。
高校に入学してからの燃え尽き症候群、高2からのイジメによる不登校、保健室登校など。イジメは高3卒業まで続きました。
高校卒業後、今まで我慢していた感情が爆発した時期や、自分の自信のなさから、何度も自殺未遂をしました。その後、20代後半となり、病状も安定してきて、通信制の大学を受験し、今は通信教育部の大学生になっています。今年の春には社会福祉学部に転入することを考えています。
大学ではスクーリングという授業があり、東京の大学だったので、何度か北海道と東京の往復をしていました。滞在費を浮かせるために、シェアハウスに宿泊して、家事、洗濯、掃除の訓練だと思って特性上辛かったですが、今では料理が少しできる、掃除ができる、洗濯が出来る範囲にまでなりました。
孤独な日々から発達当事者同士の交際へ
人間関係には発達障害の特性上苦労することが多く、人に合わせることも苦手な為、孤独な日々を過ごしている日もありました。
そんな中、一人の男性と知り合い、交際することになりました。彼も発達障害ですが、私とは真逆の発達障害です。
今ではお付き合いして4年目になりますが、双方の問題から先のことは考えていません。
発達障害者同士のお付き合いは並大抵ではありません。
私たちは歳の差もあり、なかなかお互いを受け入れることが容易でないこともありますが、そんな時は、病院やカウンセラーさんのアドバイスを頂いたりして乗り切っています。
ある時彼は、カウンセラーから「彼女に求めているもの」を宿題として出されたことがありました。
非常に困っていました。。。
歳の差という問題や、お互いの理解の難しさから、『求めるモノ』までが考えていなかったからです。考えるというより、ある程度の計画は立てますが、軌道修正はその場でします。お互い共通の趣味である旅行も現地で軌道修正します。
私たちは考えるというより自然体でつきあっています。
少しずつ自分を受け入れながら
発達障害を抱えながら生きられる環境は、医療・教育現場では広がって来ています。
学校については
・不登校、保健室登校でも、卒業出来る。
・通信制の高校もある。
・通信制の大学もある。
・学校が合わなければフリースクールなどもある。
医療・福祉面では
・凸凹の差を感じる気持ちをお薬で緩和させられる。
・不安を和らげる薬を出して貰える。
・障害者手帳を取得して優遇が受けられる。
・生活をサポートする障害福祉サービスを受けられる。
生きやすくするために、いい意味で上手く活用して下さい。
就労面では
・ 在宅勤務もある。
私自身、外で働けない事もあり在宅勤務として働いています。お金を得ることで社会貢献が出来ると思うと、少しだけ自信に繋がると思います。
特性の受け止め方としては
・ 凸凹も個性だと理解する。
・自分の良いところを探す
・ 相手に特性を伝える 。
・日記を書いて心の整頓をする。
・泣くことで感情の発散をする。
・出来ないことに目を向けるより、出来ることに目を向ける。
・他人と比較しない。
私たち発達障害当事者は凸凹が目立つ為、定型発達の方との差を感じるとは思いますが、 人間、完璧な人はいません。長所もあれば短所もあります。
そして、一人で抱え込まずに、相談できる方がいましたら、相談して、心の整頓をしすることも大事なことです。
発達障害と診断されて10年以上経ってから、少しずつ自分を受け入れられるようになってきたので、焦る事はありません。休息も大事なことです。
今の私だから言えるようになったことかもしれません。
工夫次第、自分次第で変わる未来!
発達障害があるからといって、恋愛できないわけでもありません、働けないわけでもありません。
工夫次第、自分次第で未来を変える事は出来ます。
出来ないことに目を向けるより、出来ることに目を向けて、少しでも出来たら自分のことを褒めて下さい。
小さいことから始めてもいいんです。
継続はチカラなりです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
著者紹介: Akimayu
不登校から立ち直り、通信制大学に進学。在宅ワークをしながら、教育学部児童教育学科に在籍。支援職を目指して心理学や児童英語教育を学びながら、自分の特性と生き方を模索されています。
続きの記事は以下になります。
発達障害者に選択肢のある社会へ
発達障害が社会に認知されるようになり約20年が経過するなかで、学校、社会で生きる選択肢は広がって来ていると感じます。
一昔前であれば、学校で人間関係につまずいても、容易には変われない環境でした。
私も一時期、不登校になりかけた時期がありました。
親や教師から「学校に行かないことはどれだけ悪い事をしているか?」を問い詰められ家を出されていました。
単位ギリギリで追い出される様に卒業をしましたが、あの時期に深めた二次障害が根深くあると感じます。
少しの心の休息や自分らしく生きられる環境を選択出来れば、もっと軽く生きられていたのではないか?と感じます。
現在は、不登校の概念が変化していると感じています。
社会生活から休息を得たい時、ドロップアウトしそうな時は合わない環境から離れ、もしドロップアウトをしてしまったとしても社会復帰をしていける環境が広がって来ていると感じます。
小学校1年生から就学期に入ると、集団的規律、学業カリキュラム、スケジュールに追われる生活が始まります。
しかし、個人としての発達や、心の引っ掛かりは集団生活では拾いきれない部分もあります。その時には立ち止まったり、休息をしたり、寄り道をしてもいいと思います。
したがって、僕は自分のこどもには、不登校も選択肢としています。
集団生活の中で協調性を学ぶのも大事ですが、学校や環境に合させてこどもの発達や心を潰しては本末転倒だと思います。
合わなければ、別の環境を選択するつもりも考えて、心身の疲れが見えたなら気持ちの整理の為に休ませています。
しかし結果として、こどもは不登校にはなっていません。逆に、しっかりと気持ちを切り替えてリフレッシュをして再び集団生活に飛び込んでいけています。
同時に学校に対しても働きかけを行っています。
こどもが伝えきれない悩み事を代弁して、こどもの特性を伝えて環境理解を求めています。
学校側から見るとモンスターペアレントです。
しかし、モンペと呼ばれようと、煙たがられようと、こどもの成長や才能を護る為には、話し合い環境調整をしたいと思います。
こども個人の視点にたって、環境に働きかけていく視点は、相談支援と同じなのです。
相談者の視点から学校、職場、地域へ環境調整をしていく、またはマッチする環境を探していく、そのサポートがあるだけで、ドロップアウトをせずに済む人がいるのです。
現在の発達障害者支援は出来上がったものではなく、不足した支援も、支援の切れ目も存在します。しかし、生きやすい環境や選択肢は広がり続けていると感じます。
私の相談支援サービスでは、その支援の切れ目を繋ぎ、より良い支援の選択肢を提供し、マッチングを果たしたいと思っています。
その人の視点から、権利を護る為には、モンスターになることもおそれずに、皆さんの生き方を支える一助になれれば幸いに思います。
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