今回も教育学部生の Akimayu さんからご寄稿頂きました。
前回の記事で少し触れられていた当事者のパートナーとの関わりについて、非常に大事なテーマだと感じた為、サイト主よりリクエストをさせて頂きました。前回記事は以下になります。
発達障害の恋愛について賛否が分かれるかとは思いますが、私たちもその一組です。
私が自閉症スペクトラム症(ASD)で、彼は注意欠如多動性障害(ADHD)の不注意優位型であります。お互いの特性が真逆で、喧嘩も正直絶えません。
交際して4年になりますが、お互いの特性はまだまだ理解できない部分もあります。
発達障害者同士での恋愛は何度も無理なのかな?と思いましたが、お互い発達障害だから、分かり合えるところもありますし、補えるところもあるかと思います。
その点においては、私たちはまだまだ未熟な為、修行が必要かと思います。
発達障害者の同士の恋愛で苦労した点について。
私たちの発達障害特性は真逆です。
私が一番苦労したのは、彼と同棲した時に感じました。
北海道と関東との遠距離な為、環境の変化にも苦労しました。
また、毎日違う献立を立て、彼の好みの味に「しなければならない」という私独自のプレッシャーを感じてしまい、体調を崩してしまいました。
彼は、食には鈍感で「食べられればいい」という楽観的な考えなのですが、私は「彼」といっても、「他人」と思っているので、「人に食べさせるには、キチンとした味にしなければならない」という発達障害特性のこだわりで、何度も彼を困らせました。
彼は仕事に行っている分、私は家事を任せられましたが、知らない土地ではやることがなく、家の掃除に専念することになりました。
一度掃除を始めると、完璧にしないと気が済まないので、彼が気にしていた「カビ」や「床の埃」などを、丁寧に掃除していたら、彼の帰宅する時間になってしまう事もしばしばありました。
結果的に体調を崩すこととなりました。
遠距離でのコミュニケーションの苦労
今は遠距離恋愛となりました。毎日Skypeのテレビ電話で話していますが、コミュニケーションに大変苦労をしています。
同棲中には感じなかったことですが、彼に強い口調で言われたり(アクセントで怒った感じに聞こえます)、真面目な話をしているのにも関わらず、話が脱線することがあります。
彼の中では今起こっている彼自身の問題で頭がいっぱいの時は、何度も現実世界に引き戻し、傾聴してくれるまでに時間を要します。
お互いの情報や状況をシェアすることで、少しずつ変わってきているのかな?とは思いますが、私自身も彼という大切な存在に出会ってから、自分に無頓着で投げやりだったことに目を傾けるようになりました。
うまくいくコツ。
私たちは普段はSkypeのテレビ電話で話していますが、私の特性上、「あれ」「それ」「適当」などという、いわゆる「曖昧な表現」が分かりません。
彼が言う「今、ちょっと調べているからね」がいつも分からなくて、私からすると「何を調べているの?」になってしまいます。
彼は「話の流れから分かるでしょ?」と教えてくれますが、「話の流れ?」という風になったりもします。
そこで、お互い活用しているのが、動画を共有することで、何を調べているのか、どれがいいのかなど、相手に説明するのが難しい事でも、画面を共有することで、乗り越えられました。
まだまだお互い未熟な面も多いので、お互いの特性の理解することや、難しい壁もありますが、乗り越えていきたいと思います。
良かったこと。
最初からお互いが発達障害と知ってお付き合いした訳ではなく、趣味が合って話が盛り上がって付き合ったら、お互いが発達障害とわかったんです。
本当に珍しいタイプかもしれませんが、「好きになった人が発達障害だった」だけなんです。
幸いにも、趣味が同じなので、旅行や車中泊、水族館巡り、プールなど、様々なことを経験してきましたし、これからも経験したいと思います。
「好きになった人が発達障害だった」という言葉は、読み手にとっては、非常に疑問視されたり、不快に思われる方もいるかもしれません。
しかし、「発達障害」同士で不自由を感じる点もありましたが、「発達障害」ってことだけで、別れる理由にはならなかったのが正直な理由になります。
私たちのことが参考になるかは分かりません。
ごく一例だと思って頂ければ幸いです。
定型発達同士でも上手くいくカップルもいれば、破局してしまうカップルもいるように、
「発達障害だから…」と自責の念にかられるより、今カップルでお付き合いいる人がいたら、お互いの短所に目を向けるのではなく、長所に目を向け、褒めることによって自信に繋げて付き合っていければいいと思います。
(私たちはまだ少し出来ないところが多く、只今、修行中です)
発達障害に限らず、今お付き合いしているカップルがいましたら、末永くパートナーになることを願います。
また、発達障害同士のカップルも珍しいかとは思いますが、発達障害だから出来ることは沢山あると思います。もっと多くの方々に発達障害を知ってもらいたいと思っております。
そして、1つの「個性」でもあるということをプラスに考えられる世の中になって欲しいと願います。
著者紹介: Akimayu
不登校から立ち直り、通信制大学に進学。在宅ワークをしながら、教育学部児童教育学科に在籍。支援職を目指して心理学や児童英語教育を学びながら、自分の特性と生き方を模索されています。
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