はじめまして、木野内レオン です。
発達障害当事者の悩みとして学校や職場で自身の発達障害をカミングアウトすべきか?
とのご意見をしばしばいただきます。
確かに発達障害をまだ同僚や同級生に公表できずに悩んでいる。どう生活していけばわからない。発達障害を持つ方の多くが悩まされる問題なのではないのでしょうか。
そこで、カミングアウトをした経験を持つ私から皆さんの生活に役に立つアドバイスをお伝えしようと思います。
発達障害をカミングアウトする勇気
発達障害を抱えている方の中には、一見定型発達の人たちと変わらない様子で、学校や職場に合わせながら生活を営んでいるのではないでしょうか。
発達障害があることを同僚や上司、同級生に伝えていない。または伝えられない為に、発達特性を隠して生きているという方は沢山いらっしゃいます。
わたしもそのような人たちの一人でした。
自分自身では発達障害があることがわかっている。でも同級生と大学生活を過ごしていく中で
「アイツは変わっている。」「面倒なタイプの部類だ。」
と思われてしまった経験があります。
その時は悔しい思いもしましたし、何より自分が発達障害であることを打ち明けられない自分自身の弱さに不甲斐なさを感じていました。
そこで、私は大学の友人たちにASD(自閉症スペクトラム症候群)であるということをカミングアウトしようと決意しました。
しかし、常に学校や職場の人たちが発達障害に理解があるとは限りません
むしろ人によっては発達障害をネガティブにとらえられている方も多くいらっしゃいます。
カミングアウトには勇気が必要でした。時間が掛かりました。
発達障害を個性や特性ではなく、病気としてとらえられてしまうのでは?
と心配になりました。
しかし、隠していたらいつまでも何も変わらない。
自分にウソをついたって仕方がない。
そう思って、発達障害をカミングアウトしました。
結果として、、、
大学の同級生たちはすんなりと受け入れてくれました。彼らの振る舞いには感謝しています。
学校の場合、高校の場合はクラス制が一般的でしょう。メンバーが固定されているので
人間の好き嫌いがあるでしょう。
無理にクラス全体に打ち明ける必要はなく、仲の良い友人や先生方に発達障害であることを打ち明ける事がいいと思います。
自分をポジティブに受け入れてくれる友達や先生方のみ、ありのままのあなたを明かすとよいでしょう。
カミングアウトしたことでどう変化したか?
発達障害をカミングアウトしたことで、私の価値観は大きく変化しました。
もちろん、みなさんのなかにも心に「モヤモヤ」を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、カミングアウトした結果で得られたものを紹介します。
主に私とその友人の体験談をもとに説明していきたいと思います。
理解者が増えた。
発達障害はなかなか理解されにくいのが現状です。
周りから変な目線で見られてしまうこともあります。
しかし、そのような振る舞いは相手のことを良く知らないから起こり得ることであります。
自分からオープンにすることで相手からも理解を得る事ができます。
発達障害のことがわからなかったけど、これを機に知ることができた。などポジティブな声もいただきました。
ニガテでないのであれば、自分から積極的にコミュニケーションを取ってみるとよいでしょう。
居心地が良くなった
初めての場所・環境が苦手な方もいらっしゃると思います。
私も大学入学当初は居心地が正直良くなかったです。
こんな自分を受け入れてくれるのかな?
と不安に襲われていた時期もありました。
しかし、この考えは杞憂でした。
大学でできた友達と食事会で私は勇気を振り絞って
僕にはASDという発達障害がある。コミュニケーションが苦手だけど受け入れてくれるかな?
と友達に聞いてみました。彼女たちは
君が発達障害であるとか、出来ないことが多いこととか気にしないよ。君は君だから。安心して。
優しい言葉でした。
居心地が良くなかった場所が、こんなにも温かい気持ちになれるとは想像できませんでした。
サポートを受けられた。
こちらは友人の体験談です。
レポートの〆切を忘れてしまう。仕事の書類を無くしてしまう。
ADHDの友達はしばしば彼の「特性」で悩んでいました。
一時期、大学の講義に出席していなかったこともありました。
私は彼に
カウンセラーとか先生方にADHDってことを伝えてみたら?
とアドバイスをしました。
彼は勇気を絞って先生に彼の特性を伝えました。
その結果、ある先生は彼の為に親身になって手助けをしてくれたり、ライフハックを教えたりしてくれたそうです。
そして大学からもサポートの連絡をいただいたそうです。
カミングアウトする事で居心地の悪い環境を変えて…
私たち発達障害当事者は環境に左右されやすい傾向にあります。
居心地が悪いと、人一倍苦しいと思います。
置かれた環境から逃げるという手段も十分アリです。
無理をすると壊れてしまいます。
逆に発達障害をカミングアウトして自分からあえて環境を変えることで、見えてこなかった世界が現れる事もあると思います。
自分の発達障害をカミングアウトする事。
それは自己肯定として「自分の個性」を受け入れる、自分のことを大切に思えるのではないでしょうか。
著者紹介: 木野内レオン
小学5年のときASDと診断される。
写真家やグラフィック・デザイナー、DJ として活躍する傍ら、人々への発達障害への理解を深めるべくスピーチやインターネット記事を執筆。
Instagramアカウント
発達障害の受容が変わりつつある社会
レオンさんありがとうございました。
実はこの記事は一度、再構成をお願いした記事でした。
私の実感ではカミングアウトにリスクを感じる事もあり、「発達障害と言わずに特性を説明する」べきでは?と思い、一度、書き直しをお願いしました。
ところが、、、
発達障害について『甘えだ』『できないならできるようにしろ!』と冷たい言葉を浴びされることもある社会の現状がります。
だからこそ、あえて発達障害と伝えた方が受け入れられるのでは?と考えております。
という意思を表明されて、その趣旨を貫いて加筆修正を頂けました。
そして、実際に「発達障害」とカミングアウトする事で、周囲の意識を変えて、自分らしく生きている様子を表現して頂けました。
私の世代や立場からでは想像し難い事ですが、その生き方はこれからを生きる発達障害当事者の方に希望を伝えるものではないかと思いました。
ちなみにレオンさんは20代という事で時代とともに発達障害への理解は広がり、学校や人間関係の中で受け容れられる社会になりつつあると感じました。
しかし、いまだに発達障害を受け容れられない場所や人がいるのは確かで、オープンにするにはリスクもあるのです。
オープンにすることの成功体験をお伝えするとともに、リスク面もお伝えしなければ無責任な発信となってしまいます。
次回は、オープンにすべきでない場面、オープンにしていい関係性や範囲についてお伝えしたいと思います。
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