狡兎死して走狗烹らる

タイトルのことわざをご存知でしょうか?これこそが、私の人生訓を表していると思います。

すばしっこいウサギ(狡兎)を捕まえてしまえば、お手柄の猟犬(走狗)は用済みとなり煮て食べられる。古代中国のことわざで、戦争の際に活躍をした軍人も戦争が終われば厄介払いをされ時として惨殺される。

私は、いつも人々の節目に呼ばれ運命の時をまわす役割で目まぐるしく動き、用が済めば忌避されて去っていきます。

障害をふせた挑戦と波乱の日々

この2年間は、市の精神専門相談支援員、PTA会長、発達障害児支援員と3足のわらじを履いてきました。

波乱に満ちた日々の万丈な展開は2週間で完結する短編ドラマが続く様でした。その臨場感をこれからどれほど思い出し、伝えていけるかわかりませんが、書ければ面白い物語になるんじゃないかと思います。

今、この瞬間に流れる時間を「点」と「点」で見ればただの日常としか見えなかった思いますが、「過去」から「未来」へ繋がる連続性で捉えると、節目が見えてきます。

節目に起こっている背景と内在する人々の想いを繋げると、日常に内在するドラマを立体化させることが出来ます。

その視点が「歴史」を表面化させて後世に教訓を示す材料となると思い、記していく価値を感じます。

同時にその視点は「問題解決能力」にも発揮されてきました。

人々の歴史と法則を紐解いて

今、表面化している問題がどの様な因果と連続性の中で起こっていることなのか?

パンくずの様な情報を統合し、パズルを組み立てていくことで原因と対策を見ることが出来ました。

これもまた、ニューロダイバシティ(神経の多様性)の思考法なのだと思います。

それが、相談者個人の問題であっても、法人が抱えている事案であっても、行政レベルであっても。

それぞれのフィールドで私は、理と利を繋げて必要な役割を果たしてきたはずでした。

実績の後に残るのは孤独

市の相談員として成し得たことは、、、

初期相談を逃さずに相談者の苦悩と要望の真意をつかみ、希望を伝えて来ました。

7割の相談者を支援サービスに繋げ、施設の利用者を2倍に増やしました。その施設の価値を立体化して総括し、初代理事長に過去最高と言われるプレゼンテーションを行いました。

成し得なかったものは、職場の和に入れず、仲間をつくることでした。

PTA会長として成し得たことは、、、

言葉の壁に悩む外国籍保護者の支援の仕組みをつくり、行政の保育園統廃合計画を覆したことです。独自に地域の待機児童数に対する保育施設の質・量を調査して市の上層部と意見交換を行い、こども子育て会議で計画が見直されました。

成し得なかったものは、保護者の和に入れず、逆に和を乱して運営に支障をきたしました。

数名の味方にギリギリ支えられ任期までやり遂げることができましたが、その関係も任期終了と共にスッパリと断たれました。

児童指導員として成し得たことは、、、

発達障害児の特性を紐解き、長所を見つける視点をスタッフに伝え、受容と教育の視点で関わることで、こども達の成長を促せました。切り替えや個別学習の精度を高め、こども達の居場所と共に学びの場となれる仕組みをつくっていきました。

成し得なかったものは、スタッフ指導等への全権を委ねられました。

しかし、支援を追求するあまりに和から外れ孤立した立場となってしまいました。それを補う十分な関係性を築けずにやがて管理者と対立し、仕事を増やされ過ぎて潰れてしまいました。

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リンク先:発達障害者である専門職のインディペンデンス

どのフィールドにも窮地があり、逆転劇がありました。ただ、平時になると私の合理性は人に不安を与えて和を乱し煙たがられました。

それでもギリギリでやっていける間は発達障害としてのアイデンティティも忘れていました。

だけど今、多くの繋がりや機会に恵まれながらも繋がりを持てない現状を見て、実感を禁じ得ません。

自分は、やはり発達障害者であったと、、、


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